メンタルトレーニングにおけるルーティンを詳しく解説
一流のスポーツ選手が試合前や、プレーの直前に決まった動きをしているのを見たことはありませんか?
この一見すると不思議な動作やポーズは、ルーティンとよばれ、多くのアスリートが自分なりの動作として取り入れています。
本記事では、メンタルトレーニングの一つであるルーティンについて詳しく解説しています。
緊張する場面で「メンタルが強かったら……」と一度でも思ったことがある方は、ぜひご一読ください。
メンタルトレーニング方法の一つ、ルーティンとは?
ルーティンとは、決まったプレーの前に行う一連の動作のことです。
このルーティンには、動作を同じ手順や速さで行うことで、集中力を高める効果があるのをご存じでしょうか?
実際に多くの一流スポーツ選手やアスリートの方が、独自の方法で取り入れています。
たとえば、メジャーリーグにて“50-50”の偉業を成し遂げたプロ野球選手の大谷翔平は、打席に立つ際、必ずバットを地面に置き、軸足となる左足の位置を確認してから構えます。
また、世界でもっとも稼ぐサッカー選手、クリスティアーノ・ロナウドは、フリーキックを蹴る前に、5歩下がって仁王立ちするのがお決まりです。
このようにルーティンは、パフォーマンスを発揮できる集中状態に切り替えるための、“スイッチ”のような役割を果たしているのです。
ルーティンによって、自身をセルフコントロールし、安定的なパフォーマンスを維持しているといっても過言ではありません。
ルーティンの種類
ルーティンには、3つの種類があります。
3種類のルーティン
- ウェイティング・ルーティン
- プレ・スタート・ルーティン
- プレ・パフォーマンス・ルーティン
ウェイティング・ルーティンは、本番前などに音楽を聴きながら気持ちを落ち着かせる方法です。
オリンピックの男子スケートボードで連覇を果たした堀米雄斗選手は、自身の好きな音楽を本番前だけでなく本番中にも聴くことで、平常心を常に保っているそうです。
プレ・スタート・ルーティンは本番直前に行うルーティンで、円陣を組んだり、理想のプレー姿をイメージしたりします。
プロフィギュアスケーターの羽生結弦選手は、演技直前に体の上から下、肩とお腹の位置で3本の線を引き、祈るように手のひらを合わせます。
これはジャンプの回転軸を確認するためのルーティンで、トリプルアクセルを飛んでいる自身をイメージして行っているそうです。
プレ・パフォーマンス・ルーティンは、パフォーマンスを行う直前に行うものです。
前述した大谷翔平選手やクリスティアーノ・ロナウド選手のルーティンは、これにあたります。
このように、さまざまなトップアスリートたちが、自身に合ったルーティンを確立し、ストレスやプレッシャーがかかる状況下でも、平常心に近づけているのです。
ルーティンの作り方
ここまでの解説で、「ルーティンはそもそもアスリートのものなのでは?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私たちの生活のなかで緊張する場面である受験や面接、仕事などでも、心をコントロールして乗り切ることができるので、成功をつかみやすくなります。
ルーティンを作る際は、まずなりたい状態を言語化することから始めます。
たとえば、「緊張を和らげたい」「練習通りの成果を出したい」「リラックスしたい」などです。
そして、その状態になるための思考や行動を決めます。
具体的には、前述したアスリートの例を組み合わせて、真似することから始めるのがよいでしょう。
テスト前に音楽を聴いて瞑想したり、面接前に深呼吸してスラスラ答える自身をイメージしたりするなど、決め方はさまざまです。
「これだ!」と思うルーティンがある程度完成したら、実際に試してみて、自身が納得するものにブラッシュアップしていけるのが理想です。
そのほかの平常心を保つメンタルトレーニング
ルーティン以外にも、緊張する場面やプレッシャーがかかる場面でメンタルをトレーニングする方法はあります。
ここでは、“リラクゼーション”と“セルフトーク”について深掘りします。
リラクゼーション
リラクゼーションは、リラックス状態を作り出すことによって、緊張といったストレス反応を和らげるメンタルトレーニングです。
数あるなかでも、特に気軽に行えるのが“深呼吸”です。
深呼吸は、次のポイントを意識して実践してみましょう。
まずは姿勢を正して目を閉じ、ゆっくり吐くことを意識しながら、腹式呼吸を行います。
そうすると次第に副交感神経が優位になりストレスが減るので、適度な緊張状態となって集中力が高まります。
特殊な道具や場所も不要なので、手軽に行うことができるおすすめのメンタルトレーニングです。
セルフトーク
セルフトークとは、大事な場面で自身に語りかける心の声のことです。
特にネガティブな言葉を、ポジティブな言葉に変換して心で唱えます。
たとえばピンチな状況下で「どうしよう……」と思っても、「逆にチャンス!」と言い聞かせたり、「もうダメかも……」と感じたときに「これからが勝負!」と説得したりします。
緊張によるネガティブな思考は、すぐになくなることはありません。
“継続は力なり”と考えて、日々セルフトークし、考え方の癖をつけることが大切なのです。
フォルテッシモメンタルルームでのメンタルトレーニング
ここまでは、プレッシャーのかかる場面で平常心を保つためのルーティンについて詳しく解説しました。
スポーツの場面に限らず人生のパフォーマンスを上げるためには、ルーティンだけでなく、考え方そのものを変えることも重要です。
これまで紹介した名だたるアスリートたちは、最後のぎりぎりで勝敗を分けるのは、技術や体力ではなく、メンタルのチカラだということを経験から知っています。
そこで、“久瑠式メンタルトレーニング”を実践して、彼らと同じように心のチカラを鍛え上げましょう。
人によってアプローチ方法が変わることもありますが、基本的には以下の手順で行います。
久瑠式メンタルトレーニング
- メンタルチェックテストの実施
- 欲求の意識化
- 夢や目標を描く
- 心の囚われを解きほぐす
- 自分の“want”を外に広げる
まず行うのは、あなたの“心のタイプ”を診断するメンタルチェックテストです。
そのうえで、無意識の領域にある「こうしたい」を“want(ウォント)”として意識化し、「こんな人生を送りたい」という未来を自由にイメージしていただきます。
次のステップで、過去の失敗や挫折など心の囚われを解きほぐし、“心の次元”を上げることができれば、人生を自らの選択と決断で生きられるようになるでしょう。
最後のステップに進むと、自身の「こうなりたい!」というwantが、さらに外に広がることで、周囲の方のwantや会社のビジョンなどと重ね合わせられるようになります。
その結果、社会的に意味のある夢や目標を生み出し、周囲の方ともwin-winな関係を築いていけるのです。
日常生活でも役に立つwantをかなえる方法をぜひ身につけて、今日から考え方を変えていきましょう。
ルーティンをプレッシャーのかかる場面で行うことで、心のコントロールにつながる
本記事では、メンタルトレーニングの一種であるルーティンについて解説しました。
勝負の場面こそルーティンによって平常心を保ち、安定的なパフォーマンスを目指すことは、一流アスリートも取り入れている方法です。
自分なりにルーティンの方法を編み出せば、緊張する場面でも非常に役に立ちます。
ルーティンだけでなく、リラクゼーションやセルフトークも組み合わせれば、無駄な思考を除いて集中力を高められるでしょう。
フォルテッシモメンタルルームでは、クライエント一人ひとりに合わせた一生もののメンタルトレーニング講座を開催しております。
「逆境でも強い自分でありたい!」とお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。