メンタルトレーニングとは?驚きの効果とやり方を解説
最近、責任のある仕事を担当することが増えて、毎日プレッシャーやストレスを感じてはいませんか?
そんなときにおすすめなのが、心の力を鍛え上げるメンタルトレーニングです。
本記事では、メンタルトレーニングの効果と、トレーニングを行ううえで大切なことを紹介します。
マネージャー職の方に特化した内容も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
メンタルトレーニングとは
メンタルトレーニングは、自分のもともとの性格を変えるのではなく、すでにある“心の性能”を上げるために行うトレーニングです。
心の性能を上げることで、さまざまな事象を肯定的にとらえながら物事に取り組めるので、さらなるパフォーマンスの向上につながります。
いままでこのようなメンタルトレーニングは、強いストレスがかかるスポーツ選手や経営者などの一部の方が、安定したパフォーマンスを発揮するために実施していました。
しかし、近年はより良い人生を送るために、ビジネスマンをはじめ多くの方がメンタルトレーニングを取り入れています。
メンタルとはどういうものを指す?
メンタルトレーニングを実施する前に、まずはメンタルについての理解を深めておきましょう。
メンタルは、直訳だと“精神”や“心理”と表現されますが、決して一つの要素だけで成り立っているわけではありません。
実際には、“思考”“感情”“行動”と3つの要素で構成されています。
複数の要素が集まってできているものなので、良好な状態を保つためには各要素の問題点を見つけ出し、一つずつ解決することが重要です。
メンタルトレーニングの効果
メンタルトレーニングは、心の力を鍛え上げるトレーニングだと先ほどお伝えしましたが、具体的にはどのような効果があるのでしょうか?
ここからは、効果を7つピックアップして詳しく紹介します。
効果①高いモチベーションを維持できる
メンタルトレーニングを行うと、「憧れのあの人を目指して頑張ろう!」とさまざまな物事に対して、高いモチベーションを維持できます。
モチベーションは、仕事やスポーツ、勉強などあらゆる場面で結果を残すために、必要不可欠です。
しかし、物事を常にネガティブにとらえてしまうような状態では、高いモチベーションの維持は困難でしょう。
そこで重要となるのが、メンタルトレーニングです。
メンタルトレーニングによって、自分の思考や感情をコントロールできるようになると、困難な状況でも高いモチベーションの維持がかないます。
効果②自信がもてると良い結果や行動につながる
メンタルトレーニングによって自信が育つと、 どのような場面でも得られた成果を前向きにとらえられるようになり、 その先の行動や結果につながります。
自信のある言動はパフォーマンスに良い影響をもたらし、結果的にすばらしい成果ももたらします。
しかし、自信がない状態で物事を進めると、たとえなんらかの成果を得たとしてもポジティブにとらえられず、その先にあるチャンスを逃してしまうかもしれません。
チャンスを逃さないためにも、日頃からメンタルトレーニングで心を鍛え、自己肯定感を高める必要があります。
効果③プレッシャーに強くなる
メンタルトレーニングのなかには、大きなプレッシャーに打ち勝てるようになるものも存在します。
例として集中力を強化するものや、ネガティブな思い込みをなくすトレーニングが挙げられます。
仕事で責任のある立場を任されプレッシャーを感じるような場面でも、これらのトレーニングを実施しておけば、強靭なメンタルで業務を遂行できるはずです。
効果④心に余裕ができる
心に余裕がない状態だと、周りにイライラしたり、自分本位な行動をとったりするようになります。
メンタルトレーニングでは、そのように荒んだ心も豊かな状態へと戻すことが可能です。
心を豊かな状態に導くと、たとえ仕事でミスを起こしたとしても、自分や他人を責めることが少なくなります。
効果⑤自己分析ができる
メンタルトレーニングを行うことで、「自分のメンタルの傾向は、こんな感じなんだ」と自己分析もできます。
また、自己分析で自分と向き合う機会を作れば、自ずとメンタルとの付き合い方もうまくなります。
そしてそれが、自分のメンタルをコントロールすることへとつながるのです。
効果⑥気持ちを切り替えやすくなる
ネガティブな感情を引きずってしまってなかなか気持ちが切り替えられず、イライラした経験がある方も多いのではないでしょうか。
嫌な気持ちを引きずると、脳が休まらずに気分が落ち込むほか、家族や友人につらくあたってしまい、険悪な雰囲気にもなりかねません。
メンタルトレーニングを行って精神力を鍛えれば、すぐに気持ちを切り替えられる方法を身につけられます。
座って瞑想したり、身体の各部位に意識を向けるボディスキャンを行ったりと、トレーニングの方法はいくらでもあるので、自分に適したものを見つけて実践してみましょう。
効果⑦社内の結束力の向上につながる
メンタルトレーニングは、マネージャー職でチームを管理する方に対しても効果があります。
たとえばメンバー間での円滑なコミュニケーションの実現や、社内の雰囲気の改善に一役買ってくれます。
社内の雰囲気が悪い状態だと、全体の結束力がなくなり、業務で重大なミスが発生しかねません。
また、ストレスを感じやすい環境に身を置きつづけた従業員は、心身に不調をきたすようになります。
そのような事態を避けるために、マネージャーからチーム全員にメンタルトレーニングを行うよう呼びかけましょう。
メンタルトレーニングを導入し、実施することで、社内のさらなる結束力の向上が実現します。
メンタルトレーニングを行ううえで大切なこと
メンタルトレーニングを実施するうえで、以下の項目は非常に重要なものとなります。
メンタルトレーニングを行ううえで大切なこと
- 目標設定:理想の人物像を具体的にイメージする
- コミュニケーション:仲間と良好な関係を保つ
- イメージトレーニング:「必ず成功できる」というイメージをもつ
- 心理的準備:本番を想定した準備を行って、メンタルを整える
- 集中力:いざといったときに集中できるようルーティン化する
- リラクゼーション:緊張感を抑えて、気持ちをコントロールする
- プラス思考:どんなに困難な場面でも、前向きな気持ちでいられるように心がける
慣れない内容ばかりで最初は大変かもしれませんが、ルーティン化させていくことで自身のメンタルの安定化へとつながります。
また、これらももちろん大事ですが、より重要なのは“自分がどう生きるか”という心の在り方を考えつづけることです。
自分の心の在り方が変われば、周囲も自ずと変化していくでしょう。
メンタルトレーニングを行う際に意識したいこと
効果が具体的にわかったところで、ここからはメンタルトレーニングを行う際に意識したいことを紹介します。
人間ウォッチングを行う
“want”に基づいた夢や目標のイメージは、理想となるモデルのサンプルを集める、人間ウォッチングを行うことでより明確になります。
現代人は五感のなかでも視覚を使う機会が多く、その割合は80%以上です。
視覚から得られた情報は、より強く潜在意識に影響を及ぼします。
つまり、人間ウォッチングで自分が理想とするモデルのサンプルを集めれば、なりたい自分の姿をより具体的にイメージできるようになるのです。
人間ウォッチングを行う際は、「こうなりたい」と思うような服装や仕草、言葉などをメモしましょう。
たとえば、「仕事で成功したい」という夢をもっている女性の場合、その夢をかなえているキャリアウーマンを見つけ、立ち振る舞いや話し方などを観察します。
そして、必要なときに引き出せるよう、自分のなかにしまっておくのです。
理想とするサンプルをたくさんもっているほど、自分の夢や目標が豊かになります。
そうすると、自分自身の“want”のエネルギーが増幅されて、いつの間にか理想のモデルと同じような言動が身につきます。
成功者のふるまいを真似する
なりたい自分を具体的にイメージできるようになったら、次はそのイメージにあなたがなりきって演じてみましょう。
つまり、優しい人間になりたいのであれば、優しい態度や言葉遣いの方を思い描き、意識的に行動してみるのです。
体の使い方や表情の作り方などを意識していると、自分の考え方も徐々に変わっていき、それに見合った心をもてるようになります。
そうすることで、他者から見たあなたのイメージを変えられるのです。
しかし、「他者になりきるなんて、自分には無理……」と思ってしまう方もいらっしゃることでしょう。
そのような方は、“なりきる”のではなく、まず“演技してみる”くらいのとらえ方で始めてみてください。
性格そのものを変えるのではなく、「これは単なる演技で、いつだって本当の自分に戻れるんだ」と意識づけることが大切です。
そうすると、なりきることへの抵抗がなくなり、楽しんで演じられるようになります。
自分の気持ちを書き出す
メンタルトレーニングを行う際は、“気づきノート”を使うのもおすすめです。
自分の夢や目標について感じたことや思ったことを、毎日ノートに書き出します。
メンタルトレーニングを通して気づいた無意識の感覚や体感を自分の手を使って書くことで、“want”への意識づけができるようになります。
慣れないうちは、思いついたことをそのまま書くので精一杯かもしれません。
そんなときはノートのページを左右に区切って、“何に対してどう感じたのか、そして自分の未来をどう変えたいのか”を、順に書き込んでみてください。
頭も心もより整理されて、より客観的に自分を見つめられるようになります。
思い込みをなくす
自分のなかにある思い込みをなくすことも、メンタルトレーニングを行う際に意識したいポイントです。
大人になるにつれて分別がつくと、世間の評価や周りの声によって「自分はこの程度の人間だ」と決めつけてしまい、素直な欲求を抱けなくなります。
しかし、それ以上に「自分にできるはずがない」「自分の周りではそんなことを考えている人はいない」などと思い込んで、諦めてしまうわけです。
このように、自分の素直な欲求を妨げる制約を“have to”といいます。
“have to”は他人や周りの状況から押しつけられたものですが、何度も繰り返し経験すると無意識のうちに慣れていまい、あたかも自分が望んでいることのように思えます。
こうした思い込み、つまり“have to”をなくし“want”の実現へと再び行動を起こせるようにすることが、メンタルトレーニングのゴールなのです。
フォルテッシモメンタルルームでのメンタルトレーニングの詳細な流れ
次に、フォルテッシモメンタルルームで行う独自のメンタルトレーニングの流れを紹介します。
なお、こちらで紹介するのはあくまでもメンタルトレーニングの枠組みなので、実際の進め方は一人ひとり異なります。
ステップ①メンタルチェックテストの実施
まずは、クライエントの方にいくつかのメンタルチェックテストを行ってもらいます。
これにより、クライエント自身が心を立体的に意識できるようになるだけでなく、客観的に心のタイプを明らかにすることもできます。
例えるなら、三面鏡の前に立つように、立体的に心を映し出すイメージです。
ステップ②欲求の意識化
テストが終わったら、いよいよ実際のメンタルトレーニングに入ります。
まずは、心の奥底にある「こうしたい」「こうなりたい」という素直な欲求、すなわち“want”を意識化します。
wantに従い、目標の実現に向かって無心で歩んでいけば、困難があっても人生は楽しく、充実したものにはるはずです。
しかし、私たちは気づかないうちに、「こうしなければならない」「こうあるべきだ」といった義務感や世間の常識などで、自分のwantを縛りつけ、抑えているのです。
自分自身への制約が強くなると、やる気が出なくなったり、本来の実力を発揮できなくなったりして、人生がつまらないものに感じられます。
こうした制約から逃れるために重要となるのが、“今の自分自身をそのまま受け入れる”ことです。
自分を肯定し、信じることができれば他人ともうまく付き合えるようになり、未来に希望を抱けるようになります。
ステップ③夢や目標を描く
続いてのステップでは、素直な欲求に従って夢や目標を描いていきます。
その際に欠かせないのが、“素敵な勘違い”です。
「こんな自分になりたい」「こんな人生を送りたい」といった欲求を膨らませて、その欲求通りとなった未来を自由にイメージしてみるのです。
過去を振り返って周りの人からの評価を気にしたり、「自分にはできるだろうか」「こんなことで大丈夫だろうか」と思ったりする必要はありません。
素敵な勘違いによってwantが活性化されると、内側からどんどんエネルギーが生まれてきます。
そうすると自然と身体が動き出し、自分の夢や目標に果敢にチャレンジできます。
ステップ④心の囚われを解きほぐす
“want”を膨らませて、夢や目標を描けるようになるとゴールもいよいよ間近です。
ここでは、心の囚われを解きほぐしていきましょう。
私たちの心は失敗や挫折などの記憶に囚われ、身動きできなくなっていることがよくあります。
自分の人生を自らの選択と決断のもと生きていくためにも、こうした囚われを一つずつ丁寧に解きほぐし、“心の次元”を引き上げていきましょう。
ステップ⑤自分の“want”を外に広げる
最後に、仕上げとして自分の素直な欲求を自己から外へとさらに広げ、周りの人のwantや会社のビジョンと重ね合わせましょう。
こうすることで、あなたのwantの次元はさらに引き上げられ、社会的に意義のある夢や目標を生み出します。
その夢や目標を通して、周りや会社の方などとWin-Winの関係を築き上げることが、実りのある人生の実現へとつながるのです。
職場でメンタルトレーニングに取り組む方法
職場では各個人がそれぞれメンタルトレーニングに取り組むよりも、会社全体でサポートするほうが効果的です。
ここからは、職場でメンタルトレーニングを実施する方法を詳しく紹介します。
方法①研修を実施する
研修を通じて、従業員にメンタルトレーニングの重要性を知ってもらいましょう。
それによって、従業員はメンタルの仕組みやストレスとの向き合い方を学べます。
また、従業員全体が対象の研修もあれば、管理職向けに特化したものも存在します。
そのため、まずはメンタルトレーニングを行ってもらいたい対象者は誰なのかを考え、その方たちに合った研修を選んでください。
方法②セルフケアを推進する
社内でメンタルトレーニングに取り組む際は、全体研修だけでなく、各従業員にセルフケアを行ってもらうことも大切です。
ストレスを抱えた状態が続くと、身体面や心理面、行動面に支障が出るようになります。
特に心理面に不調を及ぼした場合、頻繁にイライラするようになり仕事にも身が入りません。
また、周りの方にも悪影響を与えてしまうおそれがあります。
従業員に自身のストレスを自覚させて、コーピング(※)などでストレスを緩和させることで、社内の良好な関係も維持できます。
※コーピング:ストレスの元となるストレッサーに上手く対処すること
方法③ストレスチェックを行う
従業員のストレスチェックを定期的に行うのも、メンタルトレーニングの一つとして挙げられます。
ストレスチェックを実施することで、管理部の方は従業員の健康状態を把握できます。
また、従業員も自分のストレス状態がわかるため、立ち止まって客観視できる良い機会となるでしょう。
メンタルトレーニングを通して、新しい自分に出会おう
今回はメンタルトレーニングの効果と、その方法について紹介しました。
メンタルトレーニングを行うことで自分に自信がつくと、諦めてしまいそうな困難な物事にも、高いモチベーションを発揮して取り組めるようになります。
また、プレッシャーにも強くなれるので、緊張する場面でも本来の力を発揮できるでしょう。
「自信のない自分から脱却したい!」とお考えの方は、フォルテッシモメンタルルームにお越しください。
グループ講座やパーソナルトレーニングを通じて、受講者一人ひとりに合わせたメンタルトレーニングの手法をレクチャーいたします。