メンタルトレーニングにおける自己分析の効果とやり方を紹介
「メンタルを強くしたい」と思ったことはありませんか?
スポーツの大一番では、ここぞというときに、日々の練習で積み重ねてきたことを結果に残したり、実力以上の能力を披露できたりする方が一定数いらっしゃいます。
これを実現するために重要なのが、日々の自己分析です。
本記事では、スポーツ競技中の心理状態を改善・向上する自己分析の方法を解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
メンタルトレーニングにおける自己分析とは
メンタルトレーニングにおける自己分析とは、競技を続ける根本的な目的やモチベーションは何かを明らかにし、前進しつづけるために欠かせないものです。
この自己分析によって、試合中にベストなパフォーマンスを発揮する心理状態(ゾーン)を作り出すことができます。
自己分析を行う前に、理想的な心理状態である“ゾーン”について理解しておきましょう。
ゾーンに入ることができれば、思い描いたパフォーマンスを発揮しやすく、“相手の動きやボールが読める”“体が自然に動く”など、覚醒したような感覚を味わえます。
一流のアスリートたちは、自らゾーンに入り、プレッシャーがかかる場面でも理想的な心理状態を作り出しているのです。
ここからは、このゾーンを生み出すために必要な、自己分析の方法をご紹介します。
自己分析の方法
自己分析の際は、過去の試合で、もっとも良かったときと、もっとも悪かったときの状況を思い浮かべます。
そして心理面や身体面、コーチや仲間とのコミュニケーションで気づいたことをノートに書き出すのです。
文字に起こすことによって、実力を発揮するために必要なことと不要なことが明確にわかります。
また近年、自己分析の有効な手段として注目されているのが、多くの一流アスリートたちも行っているという、練習日誌(目標設定・振り返り)です。
毎日、練習日誌をつけることで、自分の調子の良いときと悪いときのコンディションを確認できるので、実力を発揮する手助けとなります。
さらに詳細に自己分析したい方には、心理的競技能力診断検査(CIPCA.3)というスポーツ心理テストを受ける方法もあります。
これは、多くのアスリートのデータを集計し、科学的根拠に基づいた評価を尺度として作られたテストで、メンタル面での長所や短所をわかるようにしたものです。
そのほかのメンタルトレーニング方法とその効果
自己分析のほかにも、さまざまなメンタルトレーニングの方法が存在します。
以下を参考に、実践してみてください。
なお、ここからご紹介するメンタルトレーニングの方法は、あくまで一般的な理論であり、本質的な改善が見込めるものではありません。
本格的かつ、一生役に立つメンタルトレーニングを身につけたい方は、フォルテッシモメンタルルームのセミナー受講をぜひご検討ください。
やる気と目標設定
メンタルトレーニングの一つに、やる気を高めるための目標設定があります。
これは前述したゾーンを作り出すために、非常に有効な手段となります。
一流のアスリートは、このやる気をコントロールし、練習の質を高めることで、高いパフォーマンスを発揮しているのです。
やる気を高めるには、自身の「こうなりたい!」という欲求に素直に向き合い、それに基づいて夢や目標を描いていくことが大切です。
初めに、“今シーズンの結果”や“パフォーマンス目標”を書き出してみます。
書き出したあとは、以下の項目について追加で考えてみましょう。
具体的な目標設定のためにさらに考えること
- シーズン中にもっとも力を入れたい大会は何か
- 目標達成のためのプランをどのように立てるか(技術面・生活面・心理面)
- 目標が挑戦的で、かつ達成したいと思えるかどうか
- 目標を達成すれば、自身にどのような価値が生まれるのか
これらの項目は、具体的であればあるほど「手を抜いてはいけない」と実感でき、目標達成の可能性がグッと高まります。
そうすることで、一日が大切な時間に変わり、モチベーションの向上につながります。
イメージトレーニング
イメージトレーニングでは、思い出したい動作やシチュエーションをできるだけ細かく、五感をフルに使って鮮明にイメージします。
“よりリアルにイメージする”ことを大切に、心のスクリーンに映し出すのです。
なお、イメージの種類には、“自分が動いている主観的なイメージ”と“外から自分を観察している客観的なイメージ”の2種類があります。
そのため、どちらかを自身のイメージに合わせて使い分けることが大切です。
具体的な手順は、以下になります。
イメージトレーニングの手順
- リラックス:目を閉じて呼吸を整える
- イメージ:思い出したい動作やシチュエーションを想像する
- 消去動作:ストレッチなどをして、体のだるさをとる
- 開眼:だるさがとれたら、目を開ける
- 感想:イメージできたところやできなかったところを振り返って、理由を書く
イメージトレーニングのポイントは、自身の「こうしたい」「こうありたい」に素直になり、自由に行うことです。
「自分にはできるだろうか」などと、考える必要はありません。
“自分の意図した通りにイメージをコントロールする”ことを、意識するのが大切です。
サイキングアップ
リラックスの反対の意味であるサイキングアップとは、心理的興奮や緊張を高めることです。
スポーツ心理学では、サイキングアップによって心拍や体温を上げることで感情記憶やイメージを呼び起こし、心理的ウオーミングアップの効果を狙います。
具体的には、“からだの部位を軽くたたく”“大きな声を出す”“盛り上がる音楽を聴く”などの方法がサイキングアップにあてはまります。
チームスポーツでは上記のほかに、みんなで大きな声を出して、気分を高めてから試合に挑むことも有効です。
注意の切り替え
注意の切り替えは、集中力を継続するためのトレーニングで、試合中にミスが続いたときや、観衆に注意が向いたときに短時間で集中した状態に切り替えられます。
主に、“視線(フォーカルポイント)を定める方法”と“キューワードを使う方法”の2種類があります。
視線(フォーカルポイント)を定めるとは、「〇〇が目に入ったら集中しよう」というふうに、あらかじめ視線を向ける対象を決めておく方法です。
注意が散漫になったときでも、即座に切り替えることができます。
心に訴えたり、次の動作を引き出したりする言葉であるキューワードを使う方法も、メジャーです。
「次の一本を確実に決める」といった心に訴えかける言葉のほかに、「フェイントを見逃さない」「腕の振りを見る」のような次の動作につながる言葉などがあります。
ほかにも、「絶対勝てる!」「さあ、行こう!」といった、気を引き締める言葉もキューワードに含まれます。
このように集中力を高めたいときは、どこか一点に注意を向けるトレーニングが効果的なのです。
フォルテッシモメンタルルームでのメンタルトレーニングの方法
ここでは、スポーツ心理学にも応用できる“久瑠式メンタルトレーニング”を、ご紹介します。
一流のアスリートは、最後に勝敗を分けるのは、技術や体力ではなく己のメンタルの力だということを、経験から知っています。
ここで紹介するメンタルトレーニングを実践することで、彼らと同じように心のチカラを鍛え上げ、人生のパフォーマンスを格段に引き上げることができるでしょう。
具体的なアプローチ方法は、一人ひとり異なりますが、大まかなステップは以下の通りです。
久瑠式メンタルトレーニング
- メンタルチェックテストの実施
- 欲求の意識化
- 夢や目標を描く
- 心の囚われを解きほぐす
- 自分の“want”を外に広げる
まず行うのは、あなたの“心のタイプ”を診断するメンタルチェックテストです。
久瑠式メンタルトレーニングでは、無意識の領域にある「こうしたい」「こうなりたい」を“want(ウォント)”とよび、これを意識化していきます。
次にwantに基づいて「こんな人生を送りたい」といった未来を、自由にイメージします。
さらに次のステップで、過去の失敗や挫折など心の囚われを解きほぐし、“心の次元”を上げることができれば、人生を自らの選択と決断で生きられるようになるでしょう。
最後のステップに進むと、自身の「こうなりたい!」というwantが、さらに外に広がることで、チームのビジョンと重ね合わせられるようになります。
その結果、組織にとって意味のある夢や目標を生み出し、周囲の方ともwin-winな関係を築いていけるのです。
スポーツの場面だけでなく、日常生活でも役に立つので、wantをかなえる方法をぜひ身につけてみましょう。
メンタルトレーニングの自己分析では、理想的な心理状態を生み出すことが重要
本記事では、メンタルトレーニングにおける自己分析の効果や、その方法について解説しました。
理想的な心理状態であるゾーンを生み出すためには、試合での良かったことや悪かったことを思い出して書き出したり、練習日誌をつけたりすることが大切です。
自己分析だけでなく、日々メンタルトレーニングを実践することで、スポーツ競技中の緊張する場面や集中が途切れる場面でも、実力を発揮できるでしょう。
フォルテッシモメンタルルームでは、トップアスリートの方たちに向けたハイパフォーマンスを引き出すメソッドをご用意しております。
初回体験講座も設けておりますので、お気軽にご相談ください。