自己肯定感を上げることにつながるトレーニング方法を紹介
「つい他人と比べて自信をなくしてしまう」「なんでもネガティブにとらえてなかなか前に進めない」といったお悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか。
もしかしたらそれは、自己肯定感が上がれば改善が見込めるかもしれません。
この記事では、自己肯定感を上げるトレーニング方法を、自己肯定感が低い方の特徴とともにご紹介します。
自信を手に入れて自分が抱える壁を乗り越えたいとお考えの方は、ぜひ本記事をご一読ください。
そもそも自己肯定感とは
自己肯定感とは、長所・短所を含めて自分を価値ある存在として肯定する感覚のことです。
日常生活で何か失敗しても自己肯定感があると、自分を責めることなく客観的に原因を振り返って、前向きに進むことができます。
自己肯定感は、言わば人の成長を促すマインドを創るための必需品なのです。
ところが、周りとの共存を重んじる日本では、自己を肯定するよりも謙虚であることが美徳とされる傾向があるため、他国と比べて自己肯定感が低い方が多いことがわかっています。
自己肯定感が低いと自覚している方でも、後述するトレーニングを実施すれば、自己肯定感を引き上げて人生を楽しく活き活きと過ごすことが可能です。
参照元:内閣府 我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査(令和5年度)
自己肯定感が低い方の特徴
ご自身や他人の自己肯定感が高いか低いかを客観的に判断することは、そう簡単ではありません。
周囲の方に自己肯定感が低いと指摘された場合でも、ご自身では自覚がないこともあるでしょう。
これから自己肯定感が低い方の特徴をいくつかご紹介しますので、日頃の言動と照らし合わせて、ご自身の自己肯定感を測る指標としてください。
否定的な考えに囚われて行動できない
自己肯定感が低いと物事の悪い面ばかりに囚われて、主体的に行動することができなくなります。
たとえ何かを成し遂げても、その過程で起きた小さな失敗が強く記憶に残ってしまうのです。
これは自分自身に対する評価が低いことで、「自分は何もできない」と普段からネガティブ思考になり、自分の身に起きたうれしいこともマイナスにとらえてしまうためです。
また、失敗したことを「自分がダメな人間だからだ」と思い込み、原因や対策に目が向かず、失敗を繰り返すという負の連鎖に陥ります。
こうして失敗から抜け出すことができないと、今度は失敗を恐れて、新しいことを始めるのが億劫になってしまうわけです。
褒められても嬉しいと思えない
ありのままの自分を肯定できていないと、他人からの称賛も否定的にとらえて素直に受け取ることができません。
これは謙遜しているわけではなく、自分の価値を自分自身が認められていないことで、褒め言葉と信じられずに受け入れることができないからです。
本来なら喜ぶはずのところが、「相手に気を使わせてしまったのではないか……」「何か裏があるに違いない」と不安や疑いに変わることもあります。
容姿や服装などの外見に留まらず、自分の言動についての称賛も例外なく喜べないため、自分の成果を客観的に評価することができないのです。
このように自己肯定感が低いままだと、社会や他人の役に立っている実感がもてずに、自己承認欲求を満たせなくなってしまいます。
自分自身の判断基準や価値観がない
自己肯定感が低い方は、他人の判断基準や価値観に影響を受けてしまう傾向にあります。
自信がない状態では、自分の心と向き合うことを避け、他人に意見を委ねてしまうからです。
進学や就職、結婚など、人生においての重要な選択も周りの基準に合わせてしまい、自分自身が本当にやりたいことに目を向けられなくなります。
結果として、他人の評価を過度に気にするあまりメンタル不調に陥ったり、自分の人生の楽しみ方を見出せなくなったりするおそれがあるのです。
自己肯定感が低くなる原因
自己肯定感は生まれつき備わっているものではなく、これまでの経験によって高低差が生じます。
どのような経験が自己肯定感を下げることにつながるのか、これから詳しくお伝えします。
他人と比較して育てられた
自己肯定感が下がる原因として、幼少期から兄弟やクラスメイトといった他人と比べられて育った経験が挙げられます。
これは、常に他人と比較して自分の価値を判断されることで、自分の基準や価値観が醸成されなくなるためです。
「お兄ちゃんのほうがテストの点数が高かったわね」「クラスの平均よりも足が遅いじゃないか」と比べられて落ち込んだ経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
このように、頻繁に他人と比べられることで、努力した自分自身の価値を認められずに、自己肯定感が上がるのを妨げてしまいます。
自己主張する経験があまりなかった
自分の意見を発信する経験が少ないことも、自己肯定感を低下させる原因です。
特に周囲との調和を重視する日本では、自分を表現することよりも周りに合わせた行動を取りがちです。
このような環境で他人の意見に合わせ過ぎてしまうと、自分が異なる意見をもった際に「みんなと違う自分はおかしいのではないか……」と自己否定につながります。
また、日本は謙虚であることを美徳とする文化であるが故に、他人の前で自分を肯定する場面が少ないのも、原因の一つといえます。
誰かが自分に自信をもっているような言動をとると、ナルシストや自意識過剰と揶揄されているのを見聞きしたことが、日本人なら少なからずあるのではないでしょうか。
そうして自分の意見を発信したり、自分を肯定したりすることを避けていると、気づかないうちに自己を抑えて、自己肯定感を高める機会を得られなくなってしまいます。
トラウマやコンプレックスを抱える出来事があった
過去に受けたいじめや虐待などによって、トラウマやコンプレックスを抱えることも、自己肯定感が上がらない原因です。
たとえ、トラウマやコンプレックスの元となる出来事が幼少期のわずかな期間であっても、子どもに対するマインドの影響は大きく、自己肯定感の成長を妨げることにつながります。
幼少期の出来事をきっかけに、「自分は価値のない人間だ」と心に自己嫌悪感が生まれ、何をするにも自分の可能性を信じることができなくなってしまうわけです。
一度味わった挫折感をなかなか克服できずにいると、自己肯定感が下がった状態が今後も続いてしまうことになりかねません。
幼い頃、親に十分に甘えられなかった
幼少期に親に甘えられなかった経験も、自己肯定感の低下させる原因の一つです。
子どもは親に甘えることによって、つらい出来事があっても安心して戻れる居場所や、自分が愛されている存在であることを確認しているのをご存じですか。
家以外の場所で自己肯定感が下がるようなことがあっても、親に十分に甘えられれば、元気をチャージしてまた前を向けるようになるのです。
ところが、親が仕事や家事などで忙しく、甘えられる時間が取れないと、子どもは親の注意を引くために、親が求める行動を取るようになります。
とはいっても、その行動に対して思うような反応を必ずしも得られるわけではありません。
結果として、自分の存在価値を感じられなくなってしまうこともあるでしょう。
また、親に好かれようと自分の感情を抑え込めば、ありのままの自分を受け入れられなくなることも考えられます。
このように幼い頃に親に甘えられないことで、親からの愛情や自分の価値を感じられないと、自己肯定感が育たなくなってしまいます。
自己肯定感を上げるトレーニング方法
ここからは、自己肯定感を上げるためのトレーニング方法をご紹介します。
なお、ここで紹介するのはあくまでも一般的に言われるようなトレーニング方法で、本質的な改善は見込めません。
フォルテッシモメンタルルームでは、クライエント一人ひとりに合わせて、本人が気づいていないレベルの意識を掘り起こすトレーニングを実施していますのでぜひご活用ください。
ポイント①小さな成功体験を思い出す・積み重ねる
はじめにご紹介するトレーニング方法は、小さな成功体験を思い出す・積み重ねることです。
まずは些細なことでも、ご自身が成功した体験を紙に書き出してみたり、ご友人やご家族の力を借りて思い出したりしてみてください。
自分ができることを可視化する、あるいは自分の成功体験を褒めてもらうことで存在価値を確かめられます。
また、“一日一回デスク周りを掃除する”“興味のあるボランティアに参加してみる”など、今の自分が負担なくできることを通して、成功体験を積むのも効果的です。
自分で決めた約束を守った経験や他人に感謝されるような体験を通して、「何をやってもダメな自分」という自己認識を改めることができます。
自分自身で達成した成功体験によって、自己肯定感の向上が期待できるわけです。
ポイント②感情を書き留める
自分の思考や感情をそのまま表現することも、自分を肯定できるようになる第一歩です。
日頃、他人を意識して偽ってしまう感情を、自分が感じた通りに書き出せば、本当の自分の気持ちを客観視できます。
感情を紙に書き出す際は、人目を気にせずに、ネガティブな感情をどんどん解き放ちましょう。
普段抑え込んでいる負の感情を紙面上に可視化すると、不思議とその出来事をポジティブにとらえられるようになっていきます。
「理不尽な扱いを受けて悔しかったが、自分はやり返さなかった」「忘れ物をして最悪だと思ったが、ある物で代用したのはすごい」と書いている際に自分を鼓舞するようになります。
また、書き出した感情は、あとで見返して見るのも大切です。
過去を振り返ることによって、否定的な感情を抱えてもなんとか乗り越えられている事実がわかると、次にネガティブな出来事が起きても、どっしり構えられます。
こうして周囲とは異なることを理由に、自分のなかにしまい込んでいた気持ちを吐き出せる場を作ると、認められなかった自分を受容し、自信がもてるようになるわけです。
ポイント③一人で過ごす時間を増やす
他人と必要以上に比べてしまうような環境から離れるために、一人で過ごす時間を増やすことも、自己肯定感を上げる方法の一つです。
たとえば、読書なら本を通して生まれた自分の考え、料理であれば自分なりの味付けや盛り付け方など、一人で没頭する活動を通じて自分の楽しみ方に向き合うことができます。
人生の楽しみ方は、人それぞれです。
気づかないうちに、他人の価値基準に影響を受けてしまうようなコミュニティに参加していたり、SNSを必要以上に詮索したりするのは控え、自分の価値基準を養いましょう。
自分の価値基準を養うことで見えてくる自分の本当にやりたいことを、わたしたちは“want(ウォント)”とよんでいます。
“want”に従って行動すれば、自分のものさしで物事を判断できるようになり、他人の価値基準に左右されずに自己肯定感を保てます。
ポイント④完璧主義をやめてみる
完璧主義から自分を解放してあげることでも、自己肯定感の低下を回避できます。
自己肯定感が低い方は、自分自身に無理難題な課題を与え、それが達成できないと自分の評価を下げてしまう完璧主義に囚われがちです。
自分の高すぎる理想と現実とのギャップにショックを受け、無意識のうちに自分を責めつづければ、自己肯定感が下がるのをさらに加速させてしまいます。
まずは日常的に、「失敗しても自分の価値が変わることはない」「挑戦すること自体に意味がある」と、結果ではなくプロセスを重視するような言葉をご自身にかけてみましょう。
声かけに慣れてきたら、思い切って重く課した課題を状況に応じて柔軟に修正し、今の自分にできることを少しずつ達成してみてください。
こうして理想と現実とのギャップによる自己否定を少しでも緩和できれば、自己肯定感を極端に下げしてしまう心配はありません。
フォルテッシモメンタルルームの自己肯定感を上げるトレーニング
最後に、フォルテッシモメンタルルームで実施している、自己肯定感を上げるトレーニング方法をご紹介します。
褒め合いワーク
はじめにご紹介するのは、即効性のある“褒め合いワーク”です。
2人組のペアになって、相手の印象やイメージをポジティブな言葉で本人や第三者に伝えるという、シンプルなトレーニングです。
初回は“褒める人”“褒められる人”“それを聞く人”の役をあらかじめ決めたうえで行いますが、2回目以降は自分がやってみたいと思う役を選びます。
褒め合いワークを通して、誰かの力を借りて盛大に褒めてもらうことで、失われた自己肯定感を取り戻せます。
また、2回目以降に自分がやってみたいと思った役を通じて、潜在意識に存在する自分の“want”を探れるのです。
自分を認められた経験が少ないと、他人を認めることに躊躇したり、抵抗を感じたりして、はじめはうまく褒め合うことができないかもしれません。
ポイントは、容姿や服装などの目に見える部分ではなく、“相手の心の核になる部分”“その人の軸になっている根っこの部分”を見つけて、2~3割増しの言葉にして褒めることです。
その部分を見つけるためには、自分のマインドにフォーカスして、相手を感じることが肝心です。
相手の素敵だなと感じるところを見ていくうちに、自然と相手を知りたいという興味が湧いて質問が生まれ、心の在り方や使命感といった見えない部分にアクセスできます。
核心をついた部分を褒められるようになると、相手は心の温度が上がり、その反応からご自身も心地良く感じるといった相乗効果を得られて、自己肯定感が高まるわけです。
一人実況中継
一人で自分の動きに実況をつけてみる“一人実況中継”も、日常生活のなかで自己肯定感を高めるおすすめのトレーニングです。
これは、自分に起きている出来事を“他人事”として客観視するトレーニングにもなります。
一人実況中継では、“心の視点”を高く引き上げて、俯瞰して見えてきた自分の姿を、スポーツ中継のように実況していきます。
スポーツ観戦のように他人を応援する喜びを自分にも当てはめれば、“励ますエネルギー”と“励まされるエネルギー”の両方のパワーを、自分に宿すことができるわけです。
具体的には、心のなかで起きている事実をそのまま伝えるアナウンサーと、選手をあれこれ批判する解説者の二人の人物を頭で想像して実況中継します。
アナウンサーは良い出来事は素直に褒め、失敗したときには事実だけを伝えますが、解説者は、そこに自分なりの解釈を加えます。
事実をそのまま受け止めつつも、解釈は自由で、自分を励ますこともできるわけです。
このように事実を冷静にとらえ、自分を励ますセルフトークを習慣化することで自己肯定感が向上し、どのような状況においても気持ちが前を向く、タフな人間へと成長できます。
トレーニングによって自己肯定感を上げるメリット
ここまでご紹介したトレーニングを実施することで、日常生活において得られるメリットをご紹介します。
メリット①他人に振り回されなくなる
ご紹介したトレーニングによって自己肯定感が上がれば、他人の言動に左右されることなく、自分の本当にやりたいこと“want”に従って行動できるようになります。
他人の判断基準で物事を考えたり、自分と他人を比べて落ち込んだりすることが軽減されます。
その理由は、ありのままの自分を認められることで、自分の判断に自信が持てるようになるからです。
また、自己肯定感の向上によって見えてきた“want”をもとに、自分のための軸が確立します。
職業選択を例とするなら、“自分が必要とされる仕事”ではなく、“自分が必要とする仕事”を見つけられるはずです。
これまで他人の目を気にして受け身でやっていた気持ちを改め、「自分がやりたいと思うからここにいる」という意識によって、ご自身の能力がグンと引き上がることも見込めます。
仕事にやりがいを感じることで、曖昧な気持ちで仕事を続けていたときには想像もできなかったエネルギーが湧き上がるでしょう。
そうして自己肯定感の高まりによって生まれたエネルギーは、自分だけではなく、周囲をも動かす原動力となるはずです。
メリット②日々の幸せに気づけるようになる
これまで気づけなかった幸せをキャッチできるようになるのも、トレーニングで自己肯定感を上げるメリットの一つです。
前述した通り、自己肯定感が向上すると、これまで他人の価値観に埋もれてしまっていた自分の本当にやりたいこと“want”がわかるようになります。
自分は何をしているときにもっとも喜びを感じるのかが把握できれば、いつでも日常のなかの幸せを照らし出すことができます。
過去のつらい出来事でさえも、改めて見返せば多くの気づきを得られる貴重な経験としてとらえることが可能です。
また、自分の幸せに気づける人は、他人の幸せも見つけてあげられるようになります。
自らの人生において感動を見つけられる人こそが、他人の人生においての感動とは何かを感じ取り、クリエイトすることのできる人になれるのです。
トレーニングで自己肯定感を上げる際の注意点
先述したトレーニングを実施する際、自分のなかにある“want”を見つけることが、自己肯定感を上げるうえで重要です。
本当の自分を理解しようとせずにトレーニングを進めても、効果はあまり期待できません。
トレーニング自体も、自分がやってみたいと能動的になれるものから始めてみましょう。
自己肯定感を上げるトレーニングを通じて純粋で素直な“want”を取り戻すことで、ご自身のなかで眠っていた力を呼び覚ますことができるのです。
小さな成功体験の積み重ねや完璧主義をやめることで自己肯定感の向上が期待できる
今回は自己肯定感が低い方の特徴や原因とともに、自己肯定感を上げるトレーニング方法をお伝えしました。
ネガティブな思考や他人の判断基準に囚われがちな方は、自己肯定感が低い可能性があります。
原因は、他人との比較やトラウマといった過去の経験です。
自己肯定感を上げるトレーニング方法としては、フォルテッシモメンタルルームで実施している“褒め合いワーク”や“一人実況中継”などをご紹介しました。
ほかにもフォルテッシモメンタルルームでは、一人ひとりに合わせた潜在的に眠っている能力を自ら引き出すトレーニングを実施しています。
力強いマインド創りに興味のある方は、ぜひご検討ください。